『変態セブン』という、名前を聞いたことがある人は多いと思います。
なんというパワーワード…。非常に、元オーナーとしては悲しい話です。
えぇ。とあるセブンのとあるオーナ-がやらかした惨事から生まれてしまった名称です。
そもそも変態セブンとは
セブンイレブン足利芳町の、オーナーもしくは店長による『変態』的行動がネットにて拡散して命名されました。
詳しくは、前記事に記載してあります。
『変態セブン』は、どのオーナーもなりかねない?
『バイトがこなくて急遽出勤になる気持ちがわかるか…?』
この一言に、この方が疲れ果てていたという気持ちが表れていると思います。
勿論、この変態セブンを擁護するわけではありません。
他のオーナーが、『変態セブンになりかねない』かもしれないという点です。
オーナーは現代の奴隷制
オーナーは、搾取される立場にあると言えるでしょう。
コンビニチェーンのオーナーのピラミッドは、本部です。
では、最下層は?
オーナーに雇われている従業員ではありません。
ピラミッドの最下層は、オーナーです。
オーナーは、確かにアルバイトを『雇って』います。
ですが、アルバイトはあくまでもアルバイトです。
責任もなく、仕事を任せきれない存在がアルバイトです。
その割に、責任もないから『ばっくれ』るのもアルバイトです。
オーナーは、本部から圧力をかけられ
アルバイトには、仕事をばっくれられ。
オーナーの悲惨な状況については、過去の記事に記載してあります。
そもそも、コンビニは限界
コンビニというシステムには、一部で限界が来ていると思います。
オーナーは、当時の私もですが
他チェーンの出店も気になりますが、同チェーンすら自分の商圏に出店してくる業界です。
本部社員は言いました。
『同チェーンで商圏を固めていけば、他チェーンが入りにくくなり売上もあがります!』
何を言っているんでしょうね。
私がやっていたお店でも、出店後には3店舗は近隣に出店されていました。
私が辞めた後にも増えていたようです。
例えば、同じチェーンですら、出店する業界です。
これは、売上が上がれば、出店される。
それも、同じチェーンならこちらの売上データを元に簡単に出店されるということになってしまいます。
そもそも、簡単にそのお店が売れているかを見極めることもできる業界です。
そのせいで売れてくれば、他のチェーンに出店されるのは確実です。
それは早いか、遅いか。それだけの違いしかありません。
コンビニでは、ドミナント戦略という方法で出店しています。
とにかく、1エリアをどれだけ独占できるか。独占したら次のエリアにと拡大していく。
始め、この話を聞いたときにはウイルスみたいだなと少し思いました。
ウイルスに感染すると、1か所で増殖して周囲に広がっていくそんなイメージが、ドミナント戦略と似ていると感じました。
近隣出店は大ダメージ
近隣に出店されると、日販で最大で半分の売上が無くなると考えます。
単純に、2店舗で半分になるイメージです。
しかし、現実には道路の流れ、客の流れ。
そんなお店の都合とはかかわりがないところからお店のこれまでの努力が崩壊して売上が日販が消えていきます。
そして、それがいつ来るか。それにオーナーは戦々恐々としている、怯えているともいえます。
例えば、少し大げさという設定かもしれませんがこういったお店も知っています。
元々は、上のイラストのように地域を独占するようにA店が出店していました。
しかし、数年後に一軒家がなくなり新しくお店が出店することになりました。
それがB店です。
さて。自分がこのマンションやアパートなどに住んでいたとした場合、A店とB店のどちらに買い物に行きますか?
A店とB店の間の道路は幹線道路で信号機を待たないと渡れないような太い道路です。
しかし、その側道は良くはないですが信号を無視して渡ってしまえるような道です。
どれだけ、A店の日販が高くても100万円の日販が元々あろうと
このような状況になるとほとんどのお客はB店に流れてしまいます。
商品の品揃えや、レイアウトなどで努力をすればあるいは他のチェーン相手なら商売もできるかもしれません。
ですが、同じチェーンが出店する可能性するらあります。
そして、早ければ1年しないで
A店は無くなってしまうでしょう。
確かに、現実的にはもっと背後商圏があったり、店の前が幹線道路であれば車の客がいるため売上はそれなりには作れるかもしれません。
ですが写真のような状況になったとき、果たしてオーナーにどこまでのモチベーションを維持することができるのでしょうか。
これが同じチェーン相手だったとき、今後その本部を信頼し続けることができるのでしょうか。
そして、お店を開業するまでこのジレンマには正直気が付きませんし
この問題がどれだけ根深いのかも理解できません。
オーナーと本部の契約の際に、『本部の出店地には文句を言わない』というような条項に同意しているからです。
オーナーは素人です
オーナーは、長年下積み時代を経てオーナーになるわけではありません。
本部の広告をみて応募をしてお金を払ってオーナーになっています。
そのため、全てにおいて基本的に素人です。
前職の経験を活かすことができるのはほんの一部の方で、それも一部の方面にだけでしょう。
しかし、コンビニという身近にあるものがゆえに
簡単に出来るだろうと思って初めてしまっているのも事実です。
しかし、いざ始めてみれば
・休めない
・稼げない
・寝れない
・信頼できない
・・・・
良い点を上げるよりも、苦痛を上げることのほうが多くあるでしょう。
それに、耐え続けているのがオーナーです。
出来ることなら、本部主導のもとオーナーを助けるシステムを構築して欲しいものです。
私も、『もし、本部が助けてくれれば』と思う事は多くあります。
本部がシステムを少し変えるだけで、オーナーの利益となり続けることもできたかもしれません。
ですが、現実的には『オーナーを助けるシステム』というのはほとんど存在していません。
365日24時間営業
便利なようで、その裏ではオーナーが常に苦痛に悩まされているのは事実です。
その結果が、今回の『変態セブン』を生み出してしまったのかもしれません。
今後、この変態セブンのオーナーは、もしかしたら『莫大な違約金』を抱えることになるかもしれません。
ですが、オーナーに莫大な違約金を背負わせるより、こうなる手前で本部の手助けがあっても良かったのになと思わないでもありません。
元オーナーとしては、今回の変態セブンは色々と思うところがある
そんな今日この頃でした。

大学卒業と同時に一般企業に就職。
しかし、当時リーマンショックにより就職会社が困窮状態により給料未払いが発生。これにより退職。
そこから、コンビニ経営を開始することになる。3年を経過する頃には、年商3億円を達成することに成功。
その後、コンビニを廃業することとなる。
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